百島モノローグ

 絶望から希望へ向かって進むアラフォー女・百島愛の独り言

家族の絆とは

 私には2歳上の兄がいます。小さい頃から、この兄は母方の伯母たち、従姉妹たちからたいへん頼りにされて育っていました。兄だけ「おにいちゃん」と呼ばれ続け、私も一応おねえちゃんだけど言われたことはありません。無論、弟は・・・。

 

 子供の頃から兄は色んな物を新しい物を手にしていて羨ましかった。学校で使う辞書とか、工具類とか、兄からおさがりで来て、私は弟に託していく中間地点だった。もちろん、弟は兄、私からのおさがりだったから、もっと嫌な部分もあったでしょう。

 

 母の上の姉には子供がいなかったので、弟を養子にしたかったらしく、弟のことも可愛がっていたけれど、母の下の姉には3人の娘たちがいて、上二人と、下一人の間に私たち三兄弟がいる感じの年齢差ですが、女の子だけだから余計に男の子な兄や弟を可愛がってた。

 

お金の恨みってわけではないけれど、兄が二十歳になった時に伯母二人は兄にかなりのお金を渡したんです。それを見て、成人したらすごいんだなって漠然と思いました。亡くなった母も従姉妹たちが成人した時に色々工面をしていたのを見ていたので、大変なんだなぁと漠然と思ってた。

 

でも私が二十歳になったとき、何も無かった。

 

二年後、弟が二十歳になったとき、兄と同じことが起きていた。

 

この時には確実に察しました。私は母方の親戚からは存在を消されているなぁって。違った見方をすれば、もともとは母の実家である我が家。いつか相続するのは長男である兄もしくは弟だからと媚びを売っていたんでしょうね。

 

弟は、そういう女の怖いというか汚い場所を見てきたせいか、すっかり女性不信になってます。

 

とは言え、兄弟間は今、特に悪いわけではありません。兄弟間でLINEグループ持ってますけど。全然動いてないですけどね。

 

二歳下の弟は、兄と姉である私を見てきたせいか、ものすごく空気を読む。しかし読みすぎてたりもする。いいのか、悪いのか。

 

私が家族の今の事態を弟に最初に話した時

「なんで、そんなことになってるの?」と、ものすごくビックリしていた。そりゃあビックリするよね、聞いていなければ。

 

私は弟も家族だから頼ってもいいと思っているのですけど、父は弟の存在を認めていないような発言ばかりするのです。

 

去年の秋、父の保険の更新の手続きがあり、家族の署名が必要らしく、父の長年の付き合いのあるという保険の外交員さんと初めて会った。

父が独身の頃から知っている間なようで、約半世紀の関係だそうだ。別に、それはどうでもいいが、母の顔を知らないような発言をしていた。確かに母の葬儀の時に会った気はしていない。いや、実際は自分の記憶の中に悲しみの強さから消し去っているだけかもしれない。

 

「愛さんは二人キョウダイなんですよね?」

と、その外交員さんに言われて、えっ??と思った。

 

「お仕事独立されたお兄さんのこと、お父さんが自慢していましたし、そして今日初めてお会いした娘さん。素敵なお子さん二人もいるんですね。」って言うんです。

 

あの、弟もいます。何おっしゃってるんですか?

 

と、私が低い声で言うと、外交員さんもビックリしていた。

父に何故、弟の話をしていないんだ?と言うと

 

「伝えるの忘れてただけだ。」と言った。

 

母の葬儀の時に私の隣にいて私を支えていた弟。一緒に泣いてくれた弟。外交員さんは葬儀に来ていないんだと改めて思った。そんな弟を忘れてただけと言う父の言葉にも私は不信感でいっぱいになった。

 

私にとっては兄も弟も同じくらい大事な兄弟、家族です。忘れてほしくない。